motocchioの食いしん坊日記

ヴェニスの休日(2)

さて二日めです。時間があまりないので、訪れる場所を絞らなくてはなりません。EさんとDちゃんがヴェニスを訪れるのは初めてではないので、有名所はパス。偶然にも私が案内したいと思っていたサン・ロッコ信者会にEさんも行ってみたいとのことなので、そこに決まり。

サン・ロッコ信者会(Scuola di San Rocco)は、裕福なヴェネチア商人の寄付により守護聖人ロッコの信徒会の会堂として16世紀に建造されたルネサンス様式の建物です。ヴェネチア派の巨匠ティントレットが20年以上の歳月をかけた絵画装飾で有名です。
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立派でした... 建物もティントレットも

この滞在で唯一訪れた観光スポットを後にして、本日のランチスポットのOsteria La Bottega ai Promessi Sposiへ。翌日はDちゃんのお誕生日だったので、ここで前祝いです。このお店は、入り口入ってすぐのスペースはバーカロ(ヴェニス風立ち飲み居酒屋)になってます。

ずらりとカウンターに並んでる料理はどれもおいしそ〜。
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やさしい店主らしきお兄さんに頼んで
食べたい物を選んでアンティパストにしてもらいました


このレストランも室外と室内のテーブルが選べます。前日の晩、暑かったし蚊の猛襲に苦しんだのでエアコンが効いた室内をチョイス。
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素敵なインテリアです!

間もなくアンティパストの盛り皿登場!
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左から時計回りで:フェンネルのパン粉焼き、(その上にあるのは何だったっけ?!)、鰯のロール焼き(カリカリに焼いたパン粉が巻いてある)、タコとジャガイモのサラダ、ムール貝のパン粉焼き、小玉ねぎを柔らかく煮たもの

どれも外れなくおいしい。冷たい白ワインのアテにも最高!

前菜の後は、生ハム、トマト、ルッコラのオレキエッテ(プーリア州の伝統料理で食べられる耳たぶの形のパスタ)。
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それから、Eさんがこの日まで食べるのを待っていた魚介のフリット・ミスト。これが感涙物のおいしさ!素材がとにかく新鮮。揚げ加減もカリカリのアツアツ。フリット・ミストは私も好きで、いろいろなところで食べましたが、これは今までで一番のおいしさかも。ポレンタ(とうもろこし粉を塩水で練って固めたもの)を添えて食べるのがヴェニス風なのだとか。
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フリット・ミストを楽しみにしていたEさんも絶賛!
気に入ってもらえてよかった〜

大満足のランチの後は、大急ぎで前日に食べ損ねたジェラテリアAlaskaへ。ジェラートに目がないDちゃんは大喜び。正直言って、ここのジェラートはまあまあだったかな。次回はもっとおいしいところに案内するからね、Dちゃん。

ランチの締めはイタリア風にエスプレッソで。ジェラテリアのおじさんに近場でおいしいコーヒーを飲めるところはないかと尋ねて教えてもらったお店へ。
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素敵な店構え!残念ながら外のテーブルは満席で座れなかったのですが、おいしいコーヒーを飲んで落ち着きました。

列車で再びメストレへ。ヴェニス空港へ向かう前にホテルの近くのスーパーで食材の買い出し!シンガポールは食べ物の持ち込み制限がないので、普通なら税関で没収される生ハム、トマトなどをゲット。

そして、ホテルの近くのバス停まで見送りに行きました。最後に見た空港バスの中で手をふる2人のピカピカの笑顔がうれしかったです。

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楽しかったよ〜。また遊びにきてね!
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ヴェニスの休日(1)

6月下旬、大学院時代の友だち夫婦EさんとDちゃんと7年ぶりに再会を果たしました。再会の地は彼の水の都ヴェニス!

EさんもDちゃんも私と同類で食べるのが大好き。ヴェニスの街も大好き。久しぶりに訪れるヴェニスで一つでもおいしいものを味わってほしい... 日程を決める際にEさんから言われたのが「帰りの飛行機の出発は21日の午後だから、20日のお昼に待ち合わせしたら三食一緒に食べられるよね」。うれしいことを言ってくれるじゃないですか!ヴェニスのことをよく知ってる友だちにいろいろ聞いたり、いろいろ情報をチェックしてから、Eさんとも相談して、(主に食べ歩きの)プランを決めました。

7年も会っていなかったので、会う前はドキドキ... でも、待ち合わせのメストレのホテルの外で待ってくれていたEさんの変わらない笑顔を見た途端にほっとしました ^^  

即座に遅めの昼食をとるべく列車でメストレからヴェニス本島へ。
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海を眺めながら本島へ入る時はいつもワクワクする!

駅を降りてから、ヴァポレット(連絡船)で大運河を下って、魚市場の近くの名物バーカロ(ヴェニス独特の立ち呑み酒屋)を目指しました。
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迷わず着いたのですが、ガーン、ランチタイムが終わって閉まってる... ここでめげてはいけない。イタリア観光にハプニングはつきもの。予備の候補としてリストアップしておいた近所の魚料理専門店のお惣菜屋さんPronto Pesceへ。開いてた〜。カウンターにはおいしいそうな料理がずらりと並んでおります。結構なお値段でしたが、「バカンスだから気にしないで!」というDちゃんの気っぷのいい言葉に励まされ、食べたい料理を一緒に選びました。唯一の酒飲みの自分は白ワインもオーダー。注文した料理は温めてテーブルまで持ってきてくれます。
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左奥から時計まわり:グリルした鯖の煮込み、パン、魚介のリゾット、ホタテ貝のオーブン焼き、焼いた鰯、野菜を詰めた甲イカとグリーンピースの煮込み

リゾットはまあまあだったけど、あとは全品アタリ!特に感動したのが甲イカとグリーンピースの煮込み。白ワインのあてに最高でした...
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こんがり焼いてからグリーンピースと煮込むという手の込みよう


一緒にわいわい料理を選んで、わいわい写真を撮って、わいわい感想を言いながら食べる。楽しい〜!

お次は食後のコーヒー。近場にあるCaffé del Dogeへ。私とEさんはシェケラート(エスプレッソを氷を一杯入れたシェーカーにそそいで冷やして作るアイスコーヒー)、大のコーヒー党のDちゃんはダブル・エスプレッソ(渋いチョイス)。それから、デザートにティラミス。
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コーヒーはそもそもヴェニス商人によってトルコからヨーロッパにもたらされました
そんな歴史に思いを馳せながら有り難く飲むのがまた楽しい


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おいしいコーヒーとデザートでくつろいだ後は、ヴェニス独特の入り組んだ路地を歩き...
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相変わらず姿勢抜群で颯爽と歩くEさんなのでした!

再びヴァポレットに乗り...
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私以上に写真を撮りまくっていたDちゃんは終始ご機嫌^^

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本島の中心サンマルコ広場前で降りて、ちょっと木陰のベンチで休憩してから、アカデミア橋の方向へ。
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アカデミア橋を渡る時にインド系の鍵売りに呼び止められました。実はこの橋、永遠の愛に鍵をかけたいとカップルが願をかける南京錠でいっぱい。今でも仲良しのEさんとDちゃんも購入。その時のDちゃんの値切りテクがすごかった!
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これで2人の愛も間違いなく永遠!

アカデミア橋を渡り、ヴェニスに精通してる友人Rの一押しのエリアZattereへ向かいます。目指すはジュデッカ運河沿いの遊歩道にあるGelateria Nico。Rの話によると、ここのジェラートは絶品らしいんだけど、夕飯が食べられなくなるから涙を飲んで我慢。運河に面した外のテーブル席に座り、冷たいドリンクをオーダーしてまったり〜。しあわせ〜 

再びヴァポレットに乗り駅前へ戻ります。お楽しみのディナーは、ヴェニス大学に長年勤めていたことがある同僚の行きつけだったお店Trattoria da Gigio。気取らず味がある店内。スタッフもフレンドリーで親切。予約しておいた外のテーブルに座って、メニュー選び。協議の末、アンティパストにEさんが大好きなサルディ・イン・サオール(鰯、タマネギ、レーズン、マツの実を甘酢でマリネしたもの)、それから、パスタ2品(イカスミのパスタ、スカンピとルッコラのタリオリーニ)を3人でシェア。どれも物凄い量!シェアすることにして大正解。ヴェニスを訪れる前に滞在したパドヴァでヴェネチア料理をいろいろ試したEさんによると、このお店のサルディ・イン・サオールは絶品とのこと。よかったー。パスタもおいしかった!
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特にイカスミのパスタは思わずうなるほどの絶品
材料が新しいからか、ありがちな臭みが一切なし!
パスタの茹で加減も完璧アルデンテ!

とてもいいお店でしたが、外テーブルは蚊には猛襲されるし暑かった... エアコンの効いた店内で涼しそうに食事する日本人らしきカップルを見て思わずうらやましくなったのでした。夏場は室内がおすすめです。
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この小さな厨房で全ての料理が用意される

この後、ジェラートが大好きなDちゃんの為に、レストランから比較的近いジェラテリアに行きましたが、もう閉まってました。翌日にしようということで駅に向かいました。帰りの電車は、22時15分頃までは10分置きぐらいに一本あるのに、その時間をすぎるとパターンと本数が少なくなります。23時前まで待ってから帰途に着きました。

食いしん坊3人が集まったヴェニスの休日、二日目に続きます。
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ローマの旅2013冬:最後の食事&arrivederci

滞在最終日の朝、ボルゲーゼ公園ですごした後、いよいよ最後の食事です。クマ夫が公園に隣接する国立近代美術館内にある素敵なレストランに連れていってくれました。

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やたら立派な建物
ここも元貴族のお屋敷


美術館の向かって左にレストランはあります。

入り口の様子
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天井が物凄く高くて、中はアートにあふれております。素敵!

一番奥のスペースのテーブルに座りました。窓からはボルゲーゼ公園の松が見えます。しあわせ。
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料理を注文して安心したら周りをきょろきょろ観察。私たちのテーブルの前はこんな感じ。
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注文した料理が出てきました。クマ夫が頼んだパッケリ(筒型のパスタ)。
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リコッタサラータのすりおろしがたっぷり〜
熱々のソースで柔らかくなります

私が注文した茄子のカヴァテッリ。おいしい!
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場所が立派だからといって料理の値段が特別高い訳ではないし、料理はおいしい。ここは穴場。夏は外のテラス席に座るのもよさそう。おすすめです。

大満足で荷物をとりにホテルまで歩いて帰りました。途中、フェリーニの映画『甘い生活』にも登場するヴェネト通りにある有名なカフェ・ド・パリの前を通りました。
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という訳で、だらだら続いた旅の報告はこれでおしまい。最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。

ローマ、また遊びにいきたいな。また会う日まで、Arrivederci, Roma!
 
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ローマの旅2013年:ボルゲーゼ公園

しばらく放置状態だったブログ。ひさしぶりの更新です。

もう春が終わろうかというのに、まだローマの冬の旅の報告は細々と続いております。

さて、いよいよ滞在最終日。午後には帰途に着くので観光にあてられる時間は午前中のみ。ボルゲーゼの丘でのんびり過ごすことにしました。ホテルをチェックアウトして荷物を置かせてもらってから出発。

丘のふもとには、ローマの休日で有名なスペイン広場があります。クリスマスの飾りでこんなことになってました。
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しかも観光客がいっぱい… スペイン広場はいくら暑くても夏に訪れて映画ローマの休日に思いをはせるのがよいのかも。

さっさと通りすぎて丘を登ると絶景が広がります。バチカンの方向を一望することもできます。
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丘のてっぺんにはボルゲーゼ公園。シエナ出身の貴族のボルゲーゼ家の元領地だった広大なスペースです。1903年にローマの自治体が買い取り、正式に公園となりました。現在は市民の憩いの場所になっています。観光客が押し寄せてもスペースが広くから気にならない。美術館、レストランやカフェもある。しかも木陰がたくさんあって夏は涼しい。喧噪の街ローマには珍しい癒し系スポット。そろそろ観光に疲れてきたタイミングで訪れるのに絶好のスポット。おすすめです。

公園内は遊歩道がはりめぐらされており、散歩が楽しめるようになっています。
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公園内のお屋敷のひとつは現在有名な美術館になっています。イタリア語ではGalleria Borghese。ボルゲーゼ家はシエナ出身の貴族で、教皇も出した名門。美術館の建物はシピオーネ・ボルゲーゼ(1576-1633年)が夏の別荘として建築してものです。シピオーネは枢機卿であり、当時の芸術家に多くの作品を注文したパトロンでもありました(出典Wikipedia)。入館者の人数を制限するために完全予約制。出発前にあらかじめ予約しておきました(こちらのサイトで予約できます)。中は撮影禁止。何を見たのかほとんど何も覚えていませんが、どの部屋も美術品でいっぱい、観光客でいっぱい… とにかく疲れました… 
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自分には公園でのんびりする方が性にあってます。
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この公園で一番鮮烈に記憶に残ったのがこちら。そう、松です!冬の朝の柔らかく透明な光を浴びたローマの松の美しさは格別でした。ボルゲーゼ荘の松は、彼のレスピーギの作品『ローマの松』の第一部でもとりあげられています。

公園ですごした後は、いよいよ今回の旅最後の食事。旅の報告最終回へと続きます。
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ローマの旅2013冬:ローマ・スパリータ

春爛漫、桜の季節だというのに、未だに冬の旅の報告が終わっていないというこの事態。あと数回で完結予定なので気持ちを新たにしてまいります。

ローマ滞在最後の夜は、ローマ出身の知り合いのおすすめのレストランRoma Sparita/ローマ・スパリータ(『失われたローマ』という意味)で夕飯を食べることにしました。人気があるお店なので予約を入れました。

予約時間よりも早くついたので近辺を散策。レストランがある小さな広場には、サンタ・チェチーリア・イン・トラステヴェレ教会があります。
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サンタ・チェチーリアは、2世紀にローマの貴族の娘として生まれ、キリスト教がまだ浸透していなかった時代に捕らえられ殉教。音楽の守護聖人で、ローマ音楽院の名前になっています。

中に入ってみたら、ちょうどミサの最中で、修道女の合唱を聞くことができました。自分には宗教心のかけらもありませんが、こういう場で天使の様な歌声を聞いていると、そのうつしさに胸がいっぱいになります。
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真剣な面持ちの黒人の老女

教会前の広場はこんな感じ。風情がありますねえ。
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教会に向かって左側の広場の片隅にローマ・スパリータがあります。
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中に入ると、先客はまだ一組だけ(私たちが帰る頃には満席でしたが)。イタリアには珍しいかわいらしい内装。
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メニューはばりばりのローマ料理。定番を注文しました。

まずはバッカラ(塩漬けタラを塩抜きしたもの)のフリット。衣がさくさく軽くてタラの身がしっとり。おいしい!
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ユダヤ風アーティチョーク。外はカリカリ香ばしく、中はメークイーンのようにしっとりほくほく。アーティチョークの調理法で最もおいしいものの一つじゃないでしょうか。
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私が頼んだプリモは、ポルチーニの自家製フェトチーニ。
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トッピングされたチーズの量がはんぱじゃない(汗)
もうちょっと少なくてもいいよ
でも、おいしかった

マルコのチョイスはこのお店の名物カチョエペペ。カチョエペペは普通乾燥スパゲッティで作りますが、ここでは自家製タリオリーニ(細めの卵麺)を使用。パルメザンチーズで作ったカリカリの器に供されます。
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味見させてもらったら、あまりのおいしさにうっとり... ふとまわりを見たら、このパスタを頼んでないお客は自分一人だけ!隣に座っていたイタリア人観光客の男性は感動のあまり追加注文してました。魔力のある一品。

わたしはこの時点でもうお腹いっぱいでしたが、まだ中盤戦。お次はセコンドの登場。牛肉のインヴォルティーニ。中に野菜が巻いてありましたが、何だったかな?!とにもかくにも、これで一人前。すごいボリュームです。
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一口だけ味見させてもらいました。おいしかったです。お腹がすいてる時に食べたら、もっとおいしかっただろうな。
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それから、ローマの冬の味プンタレッレ。滞在中、数軒のレストランで食べましたが、ここのは切り方が太め。もうちょっと細くてもいいかな。
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クマ夫はこのあとデザートまで!なぜか林檎のシュトルーデルのバニラアイス添え。南チロル名物なんですが  味見させてもらったら結構おいしかったです。
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私はビタミン不足だったのでパイナップル。切り方がおもしろい。
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夕食の最中、隣のテーブルに座ってた男の子がずうっと笑いかけてくれてました。
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しかもこんなにかわいい子!

お誕生日のお祝いで来ていたようです。
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イタリアの家族はにぎやかで愛情いっぱい

おいしいローマ料理をたらふく食べた上に、ひさびさにもてていい気分。楽しい夕べでした。

レストランのホームページはこちら。夏の夕べに外のテーブルで食事したら気持ちよさそう。おすすめのお店です。



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イタリア在住、ときどき日本。
食いしん坊でカメきちな日々を気まぐれにつづります。
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