飛魚は春先から夏にかけて日本海にやってきます。日本海沿岸で育った私たちには親しみがある魚のひとつで、地元では飛魚(とびうお)ではなくアゴと呼びます。
アゴとカレギ(鳥取特産の極細ネギ)のたたきは夏の風物詩。それから特産アゴちくわ... 一番なつかしく思い出されるのは、子どもの頃に祖母が作ってくれたアゴ団子(つみれ)のお味噌汁。味噌や山椒の葉をちょっと入れるのがコツ。祖母がすり鉢で身をする時に鉢を手で押さえるのが幼い私の仕事でした。イワシのつみれよりも色が淡くて格段に上品な味がします。もう何十年も口にしていません... なつかしいな。
今年の夏に実家に里帰りした時に母がアゴ干しを分けてくれました。
その名の通りアゴを干したものでダシをとるのに使います。母が常備菜に作ったピーマンとダシがらのアゴ干しの煮物が感動的においしかったので、私も真似をして作ってみることにしました。ただし、ダシをとってる暇がないので、アゴ干しを二切れ粗くくだいたものを使用。簡単に砕けます。
ごま油を熱して、アゴ干しを入れて少し煎ります。全く変な臭みはなく、香ばしてよい香りがします。細切りのピーマンを加えて、砂糖といっしょに数分炒めたら、醤油、酒、みりん、水を入れて、ピーマンが柔らかくなるまでコトコト煮るだけ。今回は、クマ夫が好きなので、煎ったピーナツも少し入れました。煮物の常で、一回冷ましてから食べた方が味が染みておいしいです。
試食。アゴ干しがちょっとアルデンテ... ダシがらを使った方が身も骨もほろっと柔らかくなって具合がいいな。次回はそうしよう。でも、お味の方はかなり母のそれに近い出来上がり。いつもは上乾ちりめんじゃこを使ってるんですが、アゴの方が旨味に深みがあって、魚臭さも少ないです。
他にもいろいろ使い道がありそうで楽しみです ♪