南インドの庶民的なお店では、青々としたバナナの葉のうえにカレー、野菜のつけあわせ、ごはんをよそおってくれるらしい。こんな素晴らしい食べ方について知ったのは、『
河童が覗いたインド』(おすすめの一冊!)を読んだのががきっかけでした。ぜひ自分も一度ためしてみたい... そんな長年の夢がついにシンガポールでかなえられました!シンガポール滞在2日めの晩に、Eさんと彼女のダンナさんがリトル・インディアのその名もずばりのバナナ・リーフ・カレー・アポロに連れていってくれたのです。
超人気店のことで、あらかじめテーブルを予約。わたしたちが着いたときは、すでにお店は満員。入り口のあたりにはお腹をすかせたお客さんが待っていました。
シンガポール名物
フィッシュ・ヘッド・カレーは絶対にはずせないとのこと。魚の頭の煮付けインド版だね。食べますとも、食べますとも!それから、前菜に魚団子のフライ、野菜のコールマ(クリームがはいったマイルドなカレー)、バターチキン(スムーズなトマトソースがカレーになった感じ)、ナンも注文。飲み物は、大好きなインドのビール、King Fisherにしました。すっきりドライで、カレーによくあうのです。
ビールを飲みながら、つきだしのインドの揚げせんべいパパダムをつまんでいると、つぎからつぎへと料理が登場。
お皿がバナナの葉になっただけで、どうしてこんなにうれしいのか!
そして、本日の主役フィッシュ・ヘッド・カレー登場。うわ~、迫力です!確かに大きな魚のお頭が豪快にごろんとはいってます!
堂々たる主役ぶり
興奮さめやらぬうちに、ウェイターのお兄さんがごはんや野菜のつけあわせをよそおってくれます。ああ、妹尾河童の本で読んだ通りだわ!
思わずみんな笑顔です!
まわりのインド系のお客さんの多くは、器用に聖なる右手を使ってカレーを食べています。当然、わたしもトライです。うーん、むずかしい。でも、楽しい!しばらくインド人気分で、手で食べました。一度にたくさん食べられないので、ダイエットにいいかも。
料理はどれもおいしかったですが、特に気に入ったのが、魚団子のフライ、フィッシュ・ヘッド・カレー、それから、つけあわせに出て来たキャベツでした。フィッシュ・ヘッド・カレーは、さわやかなピリ辛さがあり、いろんなスパイスが混ざって複雑な味付けです。魚のだしが効いてて、おいしい!さすが看板料理だけのことはあって、説得力がある骨太の味です。ごはんがすすむ~
ビールもすすむ~
つけあわせに出て来たキャベツを煮たものは、カレーリーフが効いてる南インドらしいやさしい味付け。ぜひ作ってみたい(カレーリーフを何とか入手しなくちゃ...)
という訳で、このように、南インドに出向くことなく、本格的なバナナ・リーフ・カレーを楽しむことができました。ぱんぱんになったお腹をさすりながら、大満足でお店を後にしました。
この夏、念願かなって、シンガポールに在住している学生時代のともだちEさんのところに遊びにいってきました!はじめての東南アジアということもあり、出発日が近づくにつれて、うきうき気分がアップ!
滞在中はバラエティにとんだアジアごはんを楽しむことができました。中でも気に入ったのが、ホーカー・センターでの食事でした。ホーカー・センターとは、ありとあらゆる屋台料理店が一カ所に集まった食堂街みたいなところです。中華、マレー、インドの3本柱に加えて、デザート、フルーツ、飲み物、スナックなど、お手頃な値段で楽しむことができます。
シンガポールには7月12日の早朝に到着。チャンギ空港でひろったタクシーの中が、香り米とココナツミルクがまざったようないい匂いだったので(運転手のおっちゃんが車内でお弁当を食べたと思われ ^_^:)、すっかり気分は朝がゆモード。再会のよろこびにひたる間もなく、朝ご飯に朝がゆをリクエスト。Eさんが早速近場の行きつけのホーカー・センターへ連れて行ってくれました。到着早々、いきなりのホーカー・デビューだ!
いやー、すごい熱気です!朝っぱらから老若男女ありとあらゆる人が食欲爆発させてます!広い構内にずらりと並んだテーブルはほぼすべて満席。Eさんは、わたしに席を確保するようキッパリ言うと、自分の舌で確認済みの味の確かなお店から朝ごはんの調達に出陣してくれました。頼もしい!
確保したテーブルの真ん前にあった屋台で眼に留まったのが、何やら葉っぱに包まれた焼き物。
オタという魚のすり身をバナナの葉につつんで炭火焼きにしたものなんだそうです。Eさんのお墨付きなので、安心して試してみました。う~ん、焼きたてであったかくておいしい!ふんわりやさしい食感。ココナツの甘い風味と唐辛子のピリ辛の味付けが南国情緒たっぷり!
この店先にふらっとやられました
ビールにあいそ~
Eさんが長蛇の列の有名店に並んで調達してきてくれたのが、シンガポールを代表する料理のひとつ
キャロット・ケーキ。でも、にんじんははいってません。大根餅の炒め物なんだそうです。炒り卵に野菜が少々はいっていて、ちょっと甘い味付けです。長旅で胃が疲れていたのでヘビーに感じましたが、体力全開だったらもっとおいしく感じたのではないかと思いました。後日帰りの飛行機で出て来たキャロット・ケーキもためしてみましたが、ホーカーで試したものの方がカリッと香ばしくて断然おいしかったです!
朝からおいしいものを食べたいがために、
暑い中、じっと行列に並ぶシンガポールの人々の食いしん坊魂がよい!
これも、ビールにあいそ~
地元の料理はビールにあいそうなものが多いような気がしました
この道ひとすじの看板おじさん
真剣に腕をふるう姿がとても印象的でした
楽しみにしていた
鶏粥は、注文してから15分ほどしてから出てきました。中華粥といえば、出来上がっているものをお椀につぐものだと思っていたので、どうしてそんなに時間がかかるのかなと疑問をEさんにぶつけたら、ここは注文をとってから作り始めるんだそうです。中華のドーナツこと油条がトッピングされて出てきました。ひとくち食べてみると、ごま油の香りが。ところかわれば品変わる。ごま油がはいった中華粥ははじめて食べました。おいしいです!中にはいっている鶏肉はとっても上品な味。塩気がたらないなあと思ったら、どこにも塩はありません。どうやら、薄口醤油をたらして塩分を調節するらしいです。個人的にお粥に醤油を入れるのは、かなり抵抗がありましたが、入れてみるとごま油によくあう!これはこれでとってもおいしいです。白こしょうもたっぷりふって、おおいに楽しみました。
近所にあったら通います!
混んでいたので、テーブルは現地のおばさんと相席になりました。どうやら、おばさんも席を確保する係のようです。おばさんは英語が話せません。いつしか筆談スタート。いんちきな漢字の羅列と身振り手振りでコミュニケートして、何とかわかったのが、おばさんは娘婿の男性といっしょらしいのです。しばらくすると、その娘婿の男性が食べ物をもってテーブルへ帰ってきました。この男性は英語が話せたので(日本語もすこし!)、Eさんも交えて時たまおしゃべりしながら、なごやかに朝ごはんを楽しみました。
この男性の朝ごはんがめずらしいので、じーっと眺めていたら、よっぽどものほしそうに見えたのか、味見をすすめてくれました ^_^; やわらかな寒天のようなもので、とても口当たりがよいです。ですが、トッピングが何だったのか全く記憶にないのです。炒めた玉ねぎだったかな。ナッツだったかな。Eさん、覚えてたらおしえて!
ピリ辛いソースがよくあいます
奥に見えるのは、おばさんが注文したキャロット・ケーキです