motocchioの食いしん坊日記

シンガポール:孤独な男たちが集う街

シンガポールは建設ブーム。あちこちで雨後のたけのこのごとく、高層ビルがにょきにょき芽を出していました。これらの現場をささえているのが、インド系諸国(南インド、バングラデシュ、スリランカなど)から単身出稼ぎにやってきた男たち。

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現場がお休みになる日曜日になると、彼らがリトル・インディアに集まってくるという。その光景を目の当たりにして驚愕。イ、インド人がこんなにたくさん!歩く場所によっては、インド人が流れる河を流れに逆らって横切るといった事態(河をわたっている最中は、さすがにシャッターは切れなかった)

大半の男性が愛する家族を故郷に置いて、異国の地で炎天下肉体労働に汗を流す日々。そんな彼らにとって、毎週日曜日、こうやって街にくりだして、みんなでわーっと集まるのは一種のハレの日なのでしょうか。EさんのダンナさんのDonちゃんが「ここは、世界でもっともさびしい男たちが集う場所だ」と言っていました。何と的確で詩的な表現... 思わずしみじみする。

でも、街のあちこちは、そんなわたしのしみじみフィーリングを吹き飛ばすかのようなにぎわいよう!

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おしゃべりを楽しむには街角さえあれば十分さ

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路地で

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公園で

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日曜も夜おそくまで開いている市場で自炊族は買い出し


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市場の鶏肉屋
(鶏が新鮮で自分も買って帰りたかった!)

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ガンジー・ビデオ・ウェディング・サービス
(ちょっと謎な取り合わせの商売)


にぎわうスーパー(音楽がいいわ~)

インドに行かずにして、インド気分が味わえたリトル・インディアの夜。すっかりリトル・インディアが気に入ったわたしは、後日、丸一日ここですごすことになります。
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シンガポール:中国茶を楽しむ

シンガポール滞在1日めの午後、食いしん坊聖人さまことEさんが、おいしい中国茶を飲みながらくつろげるというティーハウスに連れて行ってくれました。

ここはお茶の葉を販売しているお店がやっている茶房で、一階が店舗、二階がお茶室になっています。お茶室は階段あがって左側の部屋がテーブル席、右側がお座敷席。どちらも居心地よさそうで迷いましたが、テーブル席側の内装にグッと来たので、こちらにしてもらいました。

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この内装にやられた

それぞれのテーブルは簾で区切られていて、周りを気にせず落ち着いてすごすことが出来るようになっていました。

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逆光の御簾ごしだと、隣席の様子も風情がある光景になるなあ

お茶の種類がたくさんあって、どれにするかずいぶん迷いましたが、お店の女性に相談した末、わたしもEさんも飲んだことがないホワイト・ティー(白茶)を注文することに。

白茶は微発酵茶。 炒ったり捻ったりせず、自然にしおれさせてから乾燥させて作ります。しおれさせる過程で成分の軽度の酸化が自然に進行し、その結果、外側が真っ白な柔毛におおわれるんだそうで。このお店には、白牡丹茶と白毫銀針茶の2種類の白茶がありました。白毫銀針茶は新芽のみで作られた高級品で、名前のごとく針のような形をしています。白牡丹茶にも白毫銀針茶がブレンドされており、白毫銀針茶の含有量が多いものほど上物になります。この日、わたしたちが注文したのは毫銀針茶入りの白牡丹茶。

お店の女性が親切にお手前の手順を説明してくれました。いろいろ細かい手順やコツがあります。ほとんどわすれちゃいましたが ^_^;(メモとっておけばよかった...)このお茶は、緑茶同様に、ちょっと冷ましたお湯でいれます。茶器も熱を適度ににがすポーセリン製を使うのがよいんだそうで。

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このまま中国茶教室の先生になれるぐらい
博識かつ説明上手だった店員の女性
(大学院で指導教官だったS先生にちょっと似ていて
何だかなつかしい気持ちになりました)

一杯めは、まず香りを楽しみます。円筒形の小さな器にお茶をそそぎ、お茶を別の器にあけて、空の器のまだあったかい残り香を嗅ぐのです。さらには、空の器が冷めてからの香りも楽しみます。何たる繊細さ!花の香りに蜂蜜をまぜたようなすこし甘みがある香りです。あんまりいい匂いなので、嗅ぎながら陶然。何たるぜいたく!

ひととおりの説明が終わったら、お店の女性は退座。習った手順をふまえつつ(この時はさすがに手順をまだ覚えていた!)、Eさんとふたりでお茶を入れて飲みながら、ゆったりとした時間をすごしました。茶器はちっちゃくてかわいらしく、子どもの頃に帰ってままごとで遊んでいるような気持ちにも。これは女子の心をくすぐるねえ。

はじめてすごしたチャイニーズ・ティーハウスでのひととき、本当にたのしかったです。素敵なお店に連れていってくれたEさんに今回も感謝!

いつかこういうお店に中国茶が大好きな母を連れて行けたらいいなあと思いつつ、母のおみやげに白牡丹茶を買って帰りました。

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チキンライス:シンガポール編

チキンライスといっても、ケチャップ味の焼き飯のことじゃないよん。東南アジア一帯で食べられている鶏の固まりとチキンスープで炊き込んだごはんのことです。中国語圏では、海南鶏飯と呼ばれています。

この料理の存在をはじめて知ったのは、かれこれ10年ほど前のこと。ロサンゼルスに住んでいたころ、仲良しの台湾人の女ともだちと香港料理のお店に晩ご飯を食べにいったとき、彼女が注文したのがおいしそうなので、味見させてもらったのです。一口食べた瞬間、うっとり。ジューシーに蒸し上がった鶏、鶏だしがしみた上品なごはんにタレをかけながらいただきます。

シアトルに引っ越してからマレーシア料理のお店でチキンライスに再会。ここのお店のは絶品でした。一時期病み付きになって、会社の帰りにテイクアウトして、冷たいビールを飲みながら楽しんだなあ。

ヨーロッパに引っ越してからは、当然のことながら、口にする機会はまったくありません。という訳で、この夏の東南アジアの旅では、チキンライスの本場シンガポールで食べるのをとても楽しみにしていました。

到着日のお昼、いきなり望みがかなえられることに!食いしん坊聖人さまことシンガポール在住のEさんが、チキンライスの名店、天天海南鶏飯(マックスウェル・フードセンターの中)に連れて行ってくれたのです。

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名店だけのことはあって、大変な繁盛ぶりでした

本場のチキンライス... やっぱりおいしい!ジューシーな鶏、ごはんの上品な味付けと味わい、3種類のタレ...長旅の疲れもふっとぶような心持ちになりました。この料理はおなかにやさしいので、胃腸が弱い自分には特にうれしかったです。タレはどれもおいしかったんですが、1番右のしょうがダレが1番気に入りました。でも、どれかひとつだけ選べといわれたら、決めるのは難しそう。3種類のタレをとっかえひっかえつけながら食べるのが楽しいものなのでしょう。the more the merrier!

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写真ではよくわかりませんが、鶏がつやつやしてました
話しに聞いていたとおり、シンガポールの鶏は新鮮でおいしい!

シンガポール:バナナ・リーフ・カレー

南インドの庶民的なお店では、青々としたバナナの葉のうえにカレー、野菜のつけあわせ、ごはんをよそおってくれるらしい。こんな素晴らしい食べ方について知ったのは、『河童が覗いたインド』(おすすめの一冊!)を読んだのががきっかけでした。ぜひ自分も一度ためしてみたい... そんな長年の夢がついにシンガポールでかなえられました!シンガポール滞在2日めの晩に、Eさんと彼女のダンナさんがリトル・インディアのその名もずばりのバナナ・リーフ・カレー・アポロに連れていってくれたのです。

超人気店のことで、あらかじめテーブルを予約。わたしたちが着いたときは、すでにお店は満員。入り口のあたりにはお腹をすかせたお客さんが待っていました。

シンガポール名物フィッシュ・ヘッド・カレーは絶対にはずせないとのこと。魚の頭の煮付けインド版だね。食べますとも、食べますとも!それから、前菜に魚団子のフライ、野菜のコールマ(クリームがはいったマイルドなカレー)、バターチキン(スムーズなトマトソースがカレーになった感じ)、ナンも注文。飲み物は、大好きなインドのビール、King Fisherにしました。すっきりドライで、カレーによくあうのです。

ビールを飲みながら、つきだしのインドの揚げせんべいパパダムをつまんでいると、つぎからつぎへと料理が登場。

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お皿がバナナの葉になっただけで、どうしてこんなにうれしいのか!

そして、本日の主役フィッシュ・ヘッド・カレー登場。うわ~、迫力です!確かに大きな魚のお頭が豪快にごろんとはいってます!

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堂々たる主役ぶり

興奮さめやらぬうちに、ウェイターのお兄さんがごはんや野菜のつけあわせをよそおってくれます。ああ、妹尾河童の本で読んだ通りだわ!

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思わずみんな笑顔です!

まわりのインド系のお客さんの多くは、器用に聖なる右手を使ってカレーを食べています。当然、わたしもトライです。うーん、むずかしい。でも、楽しい!しばらくインド人気分で、手で食べました。一度にたくさん食べられないので、ダイエットにいいかも。

料理はどれもおいしかったですが、特に気に入ったのが、魚団子のフライ、フィッシュ・ヘッド・カレー、それから、つけあわせに出て来たキャベツでした。フィッシュ・ヘッド・カレーは、さわやかなピリ辛さがあり、いろんなスパイスが混ざって複雑な味付けです。魚のだしが効いてて、おいしい!さすが看板料理だけのことはあって、説得力がある骨太の味です。ごはんがすすむ~ごはん ビールもすすむ~ジョッキ

つけあわせに出て来たキャベツを煮たものは、カレーリーフが効いてる南インドらしいやさしい味付け。ぜひ作ってみたい(カレーリーフを何とか入手しなくちゃ...)

という訳で、このように、南インドに出向くことなく、本格的なバナナ・リーフ・カレーを楽しむことができました。ぱんぱんになったお腹をさすりながら、大満足でお店を後にしました。

シンガポール:ホーカー・デビュー

この夏、念願かなって、シンガポールに在住している学生時代のともだちEさんのところに遊びにいってきました!はじめての東南アジアということもあり、出発日が近づくにつれて、うきうき気分がアップ!

滞在中はバラエティにとんだアジアごはんを楽しむことができました。中でも気に入ったのが、ホーカー・センターでの食事でした。ホーカー・センターとは、ありとあらゆる屋台料理店が一カ所に集まった食堂街みたいなところです。中華、マレー、インドの3本柱に加えて、デザート、フルーツ、飲み物、スナックなど、お手頃な値段で楽しむことができます。

シンガポールには7月12日の早朝に到着。チャンギ空港でひろったタクシーの中が、香り米とココナツミルクがまざったようないい匂いだったので(運転手のおっちゃんが車内でお弁当を食べたと思われ ^_^:)、すっかり気分は朝がゆモード。再会のよろこびにひたる間もなく、朝ご飯に朝がゆをリクエスト。Eさんが早速近場の行きつけのホーカー・センターへ連れて行ってくれました。到着早々、いきなりのホーカー・デビューだ!

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いやー、すごい熱気です!朝っぱらから老若男女ありとあらゆる人が食欲爆発させてます!広い構内にずらりと並んだテーブルはほぼすべて満席。Eさんは、わたしに席を確保するようキッパリ言うと、自分の舌で確認済みの味の確かなお店から朝ごはんの調達に出陣してくれました。頼もしい!

確保したテーブルの真ん前にあった屋台で眼に留まったのが、何やら葉っぱに包まれた焼き物。オタという魚のすり身をバナナの葉につつんで炭火焼きにしたものなんだそうです。Eさんのお墨付きなので、安心して試してみました。う~ん、焼きたてであったかくておいしい!ふんわりやさしい食感。ココナツの甘い風味と唐辛子のピリ辛の味付けが南国情緒たっぷり!

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この店先にふらっとやられました

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ビールにあいそ~ ジョッキ

Eさんが長蛇の列の有名店に並んで調達してきてくれたのが、シンガポールを代表する料理のひとつキャロット・ケーキ。でも、にんじんははいってません。大根餅の炒め物なんだそうです。炒り卵に野菜が少々はいっていて、ちょっと甘い味付けです。長旅で胃が疲れていたのでヘビーに感じましたが、体力全開だったらもっとおいしく感じたのではないかと思いました。後日帰りの飛行機で出て来たキャロット・ケーキもためしてみましたが、ホーカーで試したものの方がカリッと香ばしくて断然おいしかったです!

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朝からおいしいものを食べたいがために、
暑い中、じっと行列に並ぶシンガポールの人々の食いしん坊魂がよい!


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これも、ビールにあいそ~ ジョッキ 
地元の料理はビールにあいそうなものが多いような気がしました


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この道ひとすじの看板おじさん
真剣に腕をふるう姿がとても印象的でした

楽しみにしていた鶏粥は、注文してから15分ほどしてから出てきました。中華粥といえば、出来上がっているものをお椀につぐものだと思っていたので、どうしてそんなに時間がかかるのかなと疑問をEさんにぶつけたら、ここは注文をとってから作り始めるんだそうです。中華のドーナツこと油条がトッピングされて出てきました。ひとくち食べてみると、ごま油の香りが。ところかわれば品変わる。ごま油がはいった中華粥ははじめて食べました。おいしいです!中にはいっている鶏肉はとっても上品な味。塩気がたらないなあと思ったら、どこにも塩はありません。どうやら、薄口醤油をたらして塩分を調節するらしいです。個人的にお粥に醤油を入れるのは、かなり抵抗がありましたが、入れてみるとごま油によくあう!これはこれでとってもおいしいです。白こしょうもたっぷりふって、おおいに楽しみました。

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近所にあったら通います!

混んでいたので、テーブルは現地のおばさんと相席になりました。どうやら、おばさんも席を確保する係のようです。おばさんは英語が話せません。いつしか筆談スタート。いんちきな漢字の羅列と身振り手振りでコミュニケートして、何とかわかったのが、おばさんは娘婿の男性といっしょらしいのです。しばらくすると、その娘婿の男性が食べ物をもってテーブルへ帰ってきました。この男性は英語が話せたので(日本語もすこし!)、Eさんも交えて時たまおしゃべりしながら、なごやかに朝ごはんを楽しみました。

この男性の朝ごはんがめずらしいので、じーっと眺めていたら、よっぽどものほしそうに見えたのか、味見をすすめてくれました ^_^; やわらかな寒天のようなもので、とても口当たりがよいです。ですが、トッピングが何だったのか全く記憶にないのです。炒めた玉ねぎだったかな。ナッツだったかな。Eさん、覚えてたらおしえて!

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ピリ辛いソースがよくあいます
奥に見えるのは、おばさんが注文したキャロット・ケーキです
イタリア在住、ときどき日本。
食いしん坊でカメきちな日々を気まぐれにつづります。
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