100年ぶりの記録的な暖冬で、雪が降り積もる気配なし。
毎年近所の公園で雪景色の写真を撮るのが何よりの楽しみの自分にとっては寂しい冬。天気がよくてあったかいのはありがたいけれど...
このまま雪を見ないで冬を越してしまうのは悲しい、悲しすぎる〜!
ということで、金曜日に大仕事を終えて暇になったクマ夫に冬山に雪を見にいこうと提案。この出不精で山が苦手な私が自分からこんなことを言いだすなんて青天の霹靂。はりきってプランを立ててくれ、本日行ってまいりました!
ふと考えてみると今までの人生で冬山に行ったことなど一度もない。そう、この歳で冬山デビュー。何だかワクワクしてきました。というか、南チロルに引っ越して来てからこんなにワクワクするのは初めてかも。
市内のバスセンターから午前11時10分のバスに乗って30分、ケーブルカー乗り場に到着。ここからケーブルカーに乗ります。南チロルのケーブルカーはよく出来ていて、次から次へとケーブルカーがやってきて乗るというシステム。待ち時間がないのがありがたい。
窓からの南チロルの冬景色は... すばらしい!
山が苦手な私ですら興奮状態。雪化粧された小さな村々はさながら絵本の世界。青い空にここに引っ越して来てから初めて山はいいなと思いました!
15分ほどで到着。あちらこちらにスキー場があってにぎわっています。私たちはスキーはパスして、片道30分の冬期ハイキングコースを歩きます。
徒歩専用のはずですが時折そりを引いた馬やスキーヤーも通ります
生まれて初めて目にするスキー場。
実に楽しそう。
と思いながら呑気に写真を撮っていたら、転んだ途端に別のスキーヤーに激突されてしばらく起き上がれない男性を目撃。少し前にシューマッハが大けがしたし、友人も転倒して記憶喪失になったばかりのこともあって、やっぱりアルペンスキーは危なそうだから止めておこうと思う。
気温は零度前後だけれど、空気は乾燥しているし、陽当たりもよいので、非常に心地よい寒さ。クマ夫と雪玉を作ってぶつけあおうと思ったら、粉雪がさらさらすぎて固まらない。こんな雪は生まれてはじめてみました。
360度景色は雄大。雪道は雪がしっかり固まっているけれど、凍り付いてはいなくて大変歩きやすい。実に快適なハイキング。
左下の豆粒の様な人の姿が見えるでしょうか
大自然の前ではかくも我々は小さい
きっちり30分で目的地に到着。山に詳しいクマ夫のお母さんの友人イチ押しの南チロル料理のお店。
見かけは山小屋
外で食べたいお客さんには毛布が支給される
外で食べるのは気持ちよさげだったのですが満席だったので、中のテーブルにすわりました。
地元のチーズの盛り合わせ、最高!パンもワインもおいしい。
クマ夫は人気メニューらしい山のハーブのクリームスープを注文。スープ皿に見立てたパンにそそがれて供されます。味見させてもらいました。かなりハーブの風味がきいてます。濃度があまりないスープで、食べてる間にパンの底に穴があいて半量は外にもれてしまいました。あいにくパンの下には飾りに藁が敷かれており、スープを飲みたくても飲めない!
私が注文したのは定番のチロル風グラッシュ。ザワークラウトの煮込みとポレンタが添えられてます。見てくれは素朴ですが、味はすばらしい。
このお店は大当たりでした。他の料理もとてもおいしそうでした。ワンランク上の南チロル料理が楽しめます。すすめてくれた知り合いに感謝!
南チロルのいいところは、こんな山奥でもイタリアの食文化の影響をほどよくうけたおいしい料理やワインが楽しめることです。オーストリアの伝統を受けついだデザート類もおいしい。
すっかりあったまって気持ちよくなったところで、同じハイキングコースをのんびり下っていったのですが、途中私が時計をわすれたことに気付いてお店に戻ることに。ほろ酔いで上り坂を歩くのはキツかった...
その後はのんびり雪道をくだっていきました。
普通のベンチも雪に埋もれると何だかおかしい
うつくしい秋田犬に遭遇
日本語はわからないようでした
柴犬や秋田犬、イタリアでも時々みかけます
ケーブルカーとバスを乗り継いで帰途につきました。
初めての冬山、本当に楽しかったです。雪景色のうつくしさもさることながら、どこにいっても交通もサービスも整備されているし、食べ物もおいしい。どうして冬期になると南チロルに観光客が押し寄せるのかわかったような気がします。日帰りで簡単に訪れることができる私たちはラッキーですよね。他にも山ほどスポットがあるので、いろいろなところに行ってみたいし、そりやノルディックスキーもやってみたい。山の生活の楽しみがひとつ増えました。