ご近所に、ちょっとうらぶれた雰囲気の中国人経営のレストランがあります。出す料理はピッツァ、中華、寿司、タイ料理... 今までの経験からいって、この手のレストランに当たりはほぼない。
という訳で敬遠してたんですが、先日仲良しの友だち夫婦がこのレストランで素晴らしくおいしい本格的な中華を食べたというんです!この街に仕事で一か月ほど滞在していた中国人夫婦に招かれたんだとか。この夫婦、街の中華料理レストラン26件をすべて試し、ここが一番おいしいという結論に達したんだそうです(アッパレ!)。厨房で腕をふるっているのは四川省出身の料理人...
話を聞いて矢も盾もたまらなくなり、漢字で代表的な四川料理の名前を表記した伊訳付きメニューを作成し、クマ夫といっしょにレストランへ出向き、私たちにも料理を出してくれないかと交渉スタート。こんなことを頼まれたのは初めてだったようで、オーナーの女性は最初いぶかしそうにしていましたが、友だち夫婦の話をしたら、一気に話の通じがよくなって笑顔でOKが出ました。自家製メニューを見ながら、料理の内容を相談し、7品コースが出してもらえることになりました!
当日は夜8時に現地集合。気持ちのよい夏の夜、外のテーブルに座って、とりあえず青島ビールで乾杯。参加者6人がそろったところで、早速前菜の蒸三粉餃が出てきました。
周りが味見もせずにいきなりドブドブ醤油をかけるのを尻目に、私はチリソースを所望。自家製と思われるマジなのが出てきました。
餡は挽肉、ニンジンなどの野菜。皮は自家製。ほっとする家庭的な味。おいしいです。チリソースとの相性抜群。周りも全員私の真似をして食べて、おいしいと言っておりました。
前菜を食べ終えると、白飯6人前といっしょに次から次へと皿が出てきました。
炒蒲瓜(ヘチマの炒め物)
紅焼茄子(ピリ辛揚げ茄子)
定番麻婆豆腐!
これまた四川料理の定番、魚香肉絲(細切りにした肉や筍を野菜のピリ辛炒め)
宮保雛丁(鶏肉とピーナッツの辛味炒め)
空芯菜のにんにく炒め
外れ一切なし!何かもおいしい!!!イタリアの中華料理の多くは味の素が入りすぎてて後からやたら喉が渇くんですが、そういう問題もなし。この店、大当たり!
しかも、お勘定は、ビールを大瓶5本込みで、1人13ユーロ弱(およそ1400円)... 安い、安すぎる。料理もサービスも素晴らしかったので、全員一致でチップをはずむことにしました。
しかし、どうして堂々とこの本格的な中華のみで勝負しないのか。イタリアの中華料理の評価は限りなく低いんです。世界三大料理なのに... イタリア在住の中国人は、レストラン経営者に限らず、自分たちが普段食べてる料理はイタリア人の口にはあうはずはないと信じこんでる人が多いと耳にしました。もっと自信持ってほしい!
家に帰ってから、あんなお願いをしていやがられたんじゃないだろうかと、気配りの男クマ夫は気にしておりました。「そんなことはない!自分たちの国の本当の料理の味をよろこんでもらえて、うれしかったはずだ!」と私は言いきりましたが、見るからに素朴な家族の顔を思い浮かべると、何だか心苦しかった... でも、翌日の朝、レストランのオーナーの女性と偶然道ですれちがった時に満面の笑顔であいさつしもらい、胸のつかえがとれました。
ようし、次回はもっと人数を集めて、もっと品数を注文しよう!あのお店はおいしいと友人知人に宣伝しよう!なんて、1人勝手にちょっとはりきっております ^^