motocchioの食いしん坊日記

ズッパ・デッラ・ノンナ

先日日記に書いた食い倒れパーティーで供されたズッパ・デッラ・ノンナ (zuppa della nonna)。料理上手の友だちシルヴィアのノンナ(イタリア語で『おばあちゃん』)のオリジナル・レシピです。

ズッパ(zuppa)はスープで訳されることが多いですが、日本でいうスープ(汁物)の類いはミネストラ(minestra)と言います。それでは、ズッパは何かと言えば、本来はパンを添えるか沈めるかしてふやかして食べる食べ物を指すのだそうです。代表的なズッパとしては、アクアコッタ、リッボリータ、パッパ・コル・ポモドーロ(パンとトマトのお粥)などが挙げられます。いずれもトスカーナ州の郷土料理。固くなった古いパンをおいしく食べようという農民の知恵から生まれたズッパです。

さて本題のズッパ・デッラ・ノンナ(おばあちゃんのズッパ)。シルヴィアはヴィテルボ出身。ヴィテルボはラツィオ州の北部の古都でトスカーナ州とウンブリア州との境に近いことから風土も食べ物もこれからの二つの州と似ていて、パンもトスカーナの無塩パンに似たようなものが食されています。今は亡きシルヴィアのノンナは大変な料理上手で、夏になると、無塩パン、裏の畑でとれたズッキーニ、トマト、バジリコ、ペコリーノ(羊乳のチーズ)を使ってズッパを作っていました。ノンナが作っていたズッパなので、シルヴィアの家ではズッパ・デッラ・ノンナと呼ばれているという訳です。

シルヴィアのノンナがまだ生きていた頃、2度ヴィテルボに遊びに行きました。楽しい滞在が終わってヴィテルボを発つとき、「家に帰ったらおあがり」とノンナがこのズッパをお弁当に持たせてくれました。これがおいしくておいしくて、いつしか自分でも真似をして作るようになりました。ズッパ・デッラ・ノンナはクマ夫の大好物で、毎年夏になると作ってとリクエストがあります。

さて作り方です。主なる材料は、パン(できれば無塩パン)、なるべく新鮮なズッキーニ(まだ産毛がついてるぐらい)、完熟トマト、フレッシュ・バジル、EVオリーブオイル、にんにく。

ズッキーニは5ミリぐらいの厚さの輪切り。トマトは湯剥きしてザク切り。

底が厚い鍋か深鍋タイプのフライパンにEVオリーブオイルとにんにくを入れて中火で熱します。ニンニクが薄いきつね色にこんがり焼けたら、ズッキーニ投入。表面が焼け始めていい匂いがしてきたら、軽く塩をふって、トマト投入。塩を入れて、とろりとするまで煮たら、水を加えてズッキーニが柔らかくなるまで煮込みます。煮込んでる間にパンを5ミリぐらいの薄切りにして、ペコリーノをすりおろしておきます。

ズッキーニが柔らかくなったら、バジルを手でちぎるか、キッチンはさみで適当に細切りにしながら鍋に直接入れます。軽く混ぜて一煮立ちしたら塩味を整えてスープは出来上がり。パンが水気を思いっきり吸うので、かなりびしゃびしゃした状態に仕上げます。

パンをある程度深さのある器かお皿に並べてたっぷりの野菜スープ、おろしチーズの順番で表面をおおいます。我が家では、シルヴィアのノンナがやっていたように、これをもう一度繰り返して高さのある仕上げにします。

できあがり~
zuppa della nonna

室温で冷まして味がしみたころに切り分けていただきます。冷たい白ワインにあいます。

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イタリア在住、ときどき日本。
食いしん坊でカメきちな日々を気まぐれにつづります。
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