motocchioの食いしん坊日記

ウンブリアの旅:マルモレの滝

ウンブリアの旅で最も楽しみにしていたのが、マルモレの滝の見物だ。イタリア語でCascate delle Marmore(カスカータ・デッレ・マルモレ)。ウンブリア南西部の街テルニから7km離れたところにある。

ヨーロッパで最も落差があり、ウンブリアを代表する観光名所だ。古代ローマ時代の紀元前271年に人工的に作られ、3段に分かれていて、落差は計165m!一番大きな落差は最上段で、83m。滝を作るにいたった経緯は以下の通り(こちらのサイトから転載させていただいた):

昔、ヴェリーノ川の水の石灰性沈殿物がネラ川の流れを阻止し、地域を頻繁に沼化しました。その為紀元前271年、ローマの執政官、マンリオ・クリオ・デンタートは土地改良事業を行った際、ここにも工事を施工。水の流れを変えるべく溝を掘り、そこを流れた水がマルモレの一番高い崖淵から落ちるようにし、結果人工的な滝ができたのです。この工事は問題のすべてを解決しなかったものの、何世紀にもわたって世界に自然のスペクタクルを見せてくれました。

インフラ工事では世界の先端だった古代ローマ人、滝まで作っていたのか!

紀元前3世紀に建設してからずっとほうったらかしにしていたら、流量が減って来たり、下の谷が水浸しになったりするようになったので、15世紀、16世紀、19世紀に2回、様々な補修工事が行われ。

巨大な水源は、現在、発電に利用されている。ただし、1954年より滝の満開時間は1年間で770時間と定められている。見学されたい方は、出発前にこちらのホームページで滝が流される日にちと時間を確認されたし。

さて、期待に胸を膨らませながら、クマ夫およびクマ夫の父とともにバスでノルチャから工業都市テルニへ着いた。ここからバスで滝へむかう。バス停を降りて数分歩くと、案内所に着く。30分ほど早く着いてしまった。入り口の前にすでに人が並んでいるので、我々も並ぶ。オフィスが開くと、どどーっと入り口から人が流れ込む。チケット売り場のお姉さんたちは手慣れたもので、なかなか仕事が早く、すぐチケットが買えた。
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とりあえず滝の下の広場に向かう。まだ滝は開いていない。この日、開くのは午前11時。辛抱強くその時を待つ。
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時間になると、ゴゴーッという轟音とともに水煙が。きたーっ!!!
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想像を絶するド迫力!!!
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ひとしきり感嘆し写真を撮った後、散策路をたどって滝の近くへと向かう。
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国立公園だけこのことはあって、非常によく整備されている。猛暑の日であるのにもかかわらず、木陰はすずしく快適。
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南チロルに住むわれわれは山歩きに慣れているので、黙々とあがっていくが、観光客の多くがさんざん文句をたれながらふうふうしている。いつも山歩きをしていると一番もたもたしている私だが、自分よりずっと根性無しの人の多さにちょっぴり安心   びっくりしたのがハイヒールで歩いている人がいたことだ。自然をなめんなよ!

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滝の周りには多くの人口用水路がはりめぐらされている。流れ落ちてくる水をあちこちに分散させ、氾濫を防ぐ仕組みになっている。
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30分ほど登って、落差85mの上部の一番大きな滝が間近で見られる展望台についた。ものすごい混雑で、落ち着いて写真を撮ることができない!
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一番上まで登って、トイレ休憩をしてから、再び散策路を下っていく。その時、滝の水しぶきで虹がかかっていることに気づく!
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なんとも幻想的!!!こんな光景に出会えることは滅多にない。奇しくもこの日は、わたしの誕生日。写真の神様からのバースデープレゼントだと思い、ありがたくシャッターを切らせてもらった。

実はわたしは水の流れがとても好きだ。自宅の近所に川があり、木橋の上から川の流れをながめて癒されることしばし。この日は紀元前2000年から轟々と流れおちる滝から多くの気をもらった。新しい1年も何とかやっていけそうな気がしている。

百聞は一見にしかず。最後に下の広場で撮影した動画をお見せする。すこしでも迫力が伝わればうれしい。
クリック!(最初に登場するお姉さんにも注目あれ!)

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イタリア在住、ときどき日本。
食いしん坊でカメきちな日々を気まぐれにつづります。
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